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わかりやすい「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」の説明

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実例

Google「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」による所得の租税回避を中止すると発表いました。

税源浸食と利益移転(BEPS)に係る我が国の対応に関する考察(Ⅰ)

注目点

ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチとは各国の税法を巧みに利用した租税回避スキームの一つで、このような行為を一般的には条約漁り(Treaty Shopping) とも呼びます。

Googleアメリカ本社は自身が持つライセンスをアイルランド子会社①とコストシェアリングで共有します。①はそれをオランダ子会社へサブライセンスします。オランダはそれをアイルランド子会社②へサブライセンスします。この仕組みにより世界中から集まったロイヤリティのGoogleグループ内の流れが構築されます。

この流れに沿って、実際に集まった世界中のロイヤリティは②に収入計上されます。そしてそれは次はオランダに流れ、そして①へ流れます。

この流れに従うと、世界中から集められたロイヤリティに対して税金はほぼ発生しません。②がもしロイヤリティを直接①へ支払うと、①はアイルランド税法上は外国企業(管理はバミューダなのでバミューダ企業となる)とみなされるため国外送金として源泉税がかかりますが、アイルランドと租税条約のあるオランダを経由することで源泉税なしで送金できます。そして①は外国企業とみなされるためアイルランドで課税もされません。

アメリカからすると①はペーパーカンパニーなのでアメリカ版タックスヘイブン対策税制(CFC税制)の合算課税対象になりますが、②を①の支店とする(チェック・ザ・ボックスと呼ぶ)ことで①と②は一つの企業とみなされ実体のある企業となり、合算課税を免れます。

このようにダブルアイリッシュ(①と②)にダッチ(オランダ)を挟むことで世界中から得たロイヤリティ収入に対しほぼ課税を免れることができます。一方もしこのスキームを使用しないと、ロイヤリティ収入は②で課税されてしまいます。

日本にはチェック・ザ・ボックスルールがないため、もしこのスキームを日本で実行しても、外国子会社合算税制で①の所得に対し合算課税されますので、「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」は日本では有効ではありません

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